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モラハラ離婚の7つのポイント

モラハラ離婚の7つのポイント

そもそもモラハラを理由に離婚できるか

冒頭で恐縮ですが、モラハラ加害者との離婚は往々にして楽ではありません。調停になっても訴訟になっても、ひたすらに自身に都合の良い主張や貴方を批難する主張に終始し、こちらがいうこと全てを争ってくると思って覚悟しておいた方がよいでしょう。

モラハラ夫は、離婚自体を争ってくることが少なくありません。その場合、長期戦となります。また、生活費をなかなか支払わない等の嫌がらせをしてくることもあります。

モラハラ夫との離婚は激戦必須です。依頼者の方も代理する弁護士も本当に大変な思いをしますが、それでも最後には離婚はできます。

以下では、モラハラ夫との離婚の7つのポイントをお伝えします。

7つのポイント

モラハラ夫との離婚ポイント7つを最初に列挙すると、

  1. 別居の覚悟
  2. 別居前の準備
  3. 早期の婚姻費用請求
  4. 離婚が成立するまでは徹底無視
  5. モラハラと子供(面会交流)
  6. 養育費と財産分与
  7. 慰謝料

となります。以下、順に説明いたします。

別居の覚悟

何はともあれ別居です。現代社会では、よほど親密な間柄でない限り、他人と一つ屋根の下で生活することはストレスを生じさせるものです。離婚を考えるほど厄介なモラハラ加害者であれば、もはや同居自体が人生の苦痛・人生の損失と言えるのが通常でしょう。

モラハラ加害者は、貴方のことを簡単には手放しません。離婚自体を認めないという態度に終始する方も多いです。また、仮に離婚を認めたとしても親権を巡って永遠と貴方を誹謗中傷する主張を繰り返したり、財産分与でありもしない浪費の主張を繰り返す等で、離婚するまでに非常に長い時間を要することが少なくありません。

日本の家族法では、離婚は双方の合意です。貴方を支配しようとするモラハラ加害者が離婚に応じようとしない場合、最終的には裁判する以外に離婚する術がなくなります。また、裁判に至ったとしても、同居したまま共同生活を営んでいると、裁判上貴方に不利に働きがちです。

確実な離婚に備え、あるいは日々のストレスを軽減し貴方自体の貴重な日常を取り戻すためにも早期別居がモラハラ問題解決のため最も重要なアクションと言えるでしょう。

別居前の準備

先ほど、別居が最も重要と記載しましたが、辛いからといって闇雲に別居に乗り出してはいけません。別居を成功させるため、ひいては最善の内容で離婚問題を終わらせるためにも極めて重要となります。

別居前に行うべきことは、ざっくり言いますと①モラハラ行為の客観証拠化、②モラハラ加害者の財産状態の把握、③家財搬出の手立て、④(可能であれば)親族等の協力者への説明、⑤子供への説明、⑥転居の届と転居先の秘匿(自治体への説明)、⑦相手方の押し掛けに対処するための警察等への説明、⑧子供が通う学校への説明です。

別居前の準備活動の中には、別居後では行うことのできないことが多いです。上記8点を意識しながら行動することが求められますが、具体的にどのようなことを行えばよいかはケースごとに異なってくるため、別居をお考えになった時点でまずは当事務所にご相談いただくことをお勧めいたします。

早期の婚姻費用請求

別居後は、モラハラ加害者に対して生活費を請求することができます。お子様も一緒に別居されているようであれば、請求できる金額も多くなります。婚姻費用は、当然に支払ってもらえるものではありません。具体的に請求を行った時からしか支払ってもらうことができないものです。請求時期について後から争いになるケースもあるため、郵便局の内容証明郵便を用いる等、過去の裁判例に照らして認められているより確実性の高い手段で請求することが望ましいです。

離婚が成立するまでは徹底無視

これも非常に重要なことですが、代理人を就けて別居した後は、離婚が成立するまでモラハラ加害者のことを徹底無視することをお勧めします。モラハラ加害者は、いざ貴方を失いそうになるとあの手この手でそれを阻止しようと試みる傾向にあります。泣いて謝罪しながら情に訴える、「子供のためだ」と子をダシにしながら謝罪もせずに復縁を求めることはざらです。あるいは逆に、敵意を剥き出しにし、対面・電話・LINE等のあらゆる手段で別居後の配偶者を批難したり罵倒したりするケースも見られます。

離婚に向けて別居を開始した後は、相手方に妙な期待を持たせず、また貴方自身が嫌な思いすることがないよう、直接の連絡は取らず、離婚するまでの間はすべて代理人を通じて連絡してくれという毅然とした態度で臨むのが妥当です。

モラハラと子供(面会交流)

モラハラ加害者は自己正当化の名手です。貴方が離婚を求めると逆上し、「そんなことを言うのは子供のことを何も考えていないからだ!」などと自分がしてきたことを棚に挙げながら子供をダシにして、自分を正当化し、貴方を批難します。

また、親権については、根も葉もない事実を主張しつつ子供の連れ戻しを図ったり、面会交流で過大な要求を突き付けて来ることが多いです。

子の監護状況が安定しておらず連れ去りの危険があるような状況では、面会交流を限定的な内容で行う等必要な対処を行って下さい。具体的な判断はケースごとに異なりますので、できる限り弁護士に相談しながら方針を決めて対処することをお勧めします。

養育費・財産分与・年金分割

モラハラ加害者が高収入であればあるほど、取得できる養育費や財産分与の額は増加します。また、モラハラ加害者が高学歴であればあるほど養育費の支払い期間も長く認められる傾向にあります。

財産分与については、別居前の準備が特に重要となります。相手方の財産情報は個人情報のため、別居後では収集に限界があります。モラハラ加害者が具体的にどこにどのような財産を保有しているか、同居の時点で把握して手掛かりを写真撮影するなどして客観証拠にしておく必要があります。

年金分割は、婚姻期間中に夫婦間で支払った厚生年金保険料に基づいて算出される標準報酬額(将来受給できる年金額の基礎となる数額)を公平に分割する手続です。もし貴方が婚姻期間中ずっとモラハラ加害者の扶養に入っていた場合、相手方と交渉することなく、離婚後に日本年金機構の窓口で単独で年金の分割を申請することができます。

慰謝料

モラハラの態様が裁判所から見ても明白に悪質なものと認められた場合(一般的な夫婦喧嘩等の域を超え、配偶者の人権を一方的に侵害したとまで認められる程度に悪質と判断された場合)、養育費や財産分与とは別に慰謝料を請求することができます。具体的な金額はその悪質さの程度によりますが、離婚原因を一方的に作出したと判断された場合は、不貞による離婚と同様、150万円以上の賠償が認められるケースもあります。

もっとも、モラハラ夫は、自身の行為に問題があったとは思っていません。言葉にしたことも覚えていませんので、こちらが後から何をいっても「そんなこと言っていない」「そんなことやっていない」と反論し、水掛け論に持ち込まれてしまいます。そうした事態をさけるため、同居の時点からモラハラ加害者が家庭内で行っているモラハラ行為を客観証拠として記録化することが極めて重要になります。

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