ニュースレター99号掲載
人の死は悲しい出来事ですが、避けて通れない問題です。我が国では団塊世代が既に70代後半に差し掛かっており、今後20年間で急激な人口減少へ向かうとされています。
そのような世情の中で頻発することが予想されているのが「相続」に関する問題です。「相続」は、人の死によって開始される包括的な権利・義務関係の承継とされています。亡くなった方の権利・義務を相続する遺族を「相続人」、亡くなった方は相続される側の人という意味で「被相続人」と言います。
相続に関しては数年前から一連の法改正が続き、様々なルールが変更・新設されています。そのうちの一つが「法定相続情報証明制度」です。この制度は、平成29年5月29日に施行された制度ですが、現在でもご存じでない方が多いため、今号のコラムで取り上げます。
「法定相続情報証明制度」とは、相続が開始された際に、一定の手続を取ることにより、問題となっている相続について「誰と誰が法定相続人なのか」を法務局が証明してくれる制度です。従来は、多額の預金や証券等の金融商品、不動産といった被相続人の財産のうち、第三者(銀行・証券会社等)に預けていたり、登記が必要となるものについては、相続を原因として名義の変更を行うために、関係するすべての戸籍を毎回窓口に提出して誰と誰が相続人であるかを説明し、遺産分割協議書など当該相続人の全員が当該名義変更を承諾していることを示す資料を提供する必要がありました。もっとも、相続人は時として何世代、何十人にも及ぶ場合があり、このような多数の場合、上記窓口に提出する戸籍は極めて膨大な量となり、銀行や証券会社、法務局がこれを読み込むために何日間もの時間を要し、その分だけ名義変更の手続が遅れてしまいました。一方、法定相続証明制度を利用すれば、一度戸籍を収集して相続関係図(正確には、「法定相続情報一覧図」)を作成しさえすれば、その相続関係図の内容が戸籍に照らして正しいことを法務局が証明してくれるため、銀行や証券会社、法務局の戸籍読込みの作業を省略することができ、また、相続人の側も大量の戸籍を毎回持ち歩く必要もなくなるため手続が簡易・迅速に進められるようになります。
身近な方がお亡くなりになりますと、近縁の方への連絡・火葬・通夜・葬儀・埋葬・市役所や年金事務所への連絡や各種証券の返還、保険会社への保険金請求、四十九日法要等その後の法要と行うべき手続が目白押しですが、その中の一つが相続です。相続では、まずもって相続人を確定させる必要です。相続人を確定させた際は、「法定相続情報証明制度」の利用を検討することをお勧めしますが、具体的にどのようにすればよいか分からないとお悩みになった際は、まずは弊所へご相談下さい。
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