モラハラと時代変化
モラハラは、本来性的には中立な概念です。家庭内においても夫が加害者のこともあれば、妻が加害者であることもあります。
しかし、類型的に見れば、少なくとも主観的に「ハラスメント」被害を訴える方は女性が圧倒的に多いです。
こうした現象の理由として、よく挙げられるのは、①戦前の家制度の影響と、②女性の権利意識の向上という2点の理由です。
すなわち、中世の戦後時代から昭和初期までの間、日本の家族には「家」と呼ばれる単位があり、家は「戸主」により統率され、家族の人生に対して重要な判断を下す様々な権限を与えられていました。「戸主」は原則的に男性がなるものであったため、家制度の中では必然的に男性を頂点としたヒエラルキーが形成され、女性は男性に仕えることが美徳とされてきました。こうした文化は我が国において何百年にも渡って続きましたが、太平洋戦争の終結に伴って家族法が改正され、家制度は解体し、男女平等・家族も全員平等という法の理念が広まりました。
しかし、何百年も続いた人の意識は一朝一夕で変わるものではありませんので、家庭内において女性である妻に対し、自身の意のままに動いて欲しい、自身のために尽くして欲しいと考える男性は未だ多いのかもしれません。他方、女性の側も、「平等」や「権利」といった概念を教わることのなかった時代と異なり、現代では学校教育やネット上の言論に触れることで、権利意識が日々高まっています。
そうすると、本来平等であるべき夫婦関係なのに一方的に抑圧されるのはおかしい、と気付くようになり、モラハラの構図を当たり前と受け止めず、不当な状況と考える女性が増えたのだと思われます。
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