モラハラ夫の特徴
モラハラ夫の特徴として「妻に仕事をさせない」というものがあります。
モラル・ハラスメント、いわゆる「モラハラ」とは、言葉や態度によって、相手の人格を継続的に傷つけ、その苦痛や恐怖によって相手を支配し、思い通りに操ろうとする、精神的な暴力のことをいいます。
加害者が、このようなモラハラ行為に走る背景には「相手を絶対的に支配することによって、常に優越感を感じていたい」という強い欲求があるといわれています。
そこで、モラハラ夫は、妻に仕事をさせず外界との接触を断ち、妻への支配を確立していきます。
なぜモラハラ夫は妻に仕事をさせたくないのか
(1) 優位性の確保
モラハラ夫は、常に妻に対して優位に立っていたい傾向があります。
「誰のおかげでメシが食えると思っているんだ」といった典型的な発言からも分かるとおり、モラハラ夫は経済力を背景に妻に対して優位に立とうとします。
その為、妻が仕事を始め、収入を得るようになってしまうと相対的に優位性が薄れてしまい、一言で言うと「デカイ顔ができなくなる」為です。
(2) 外部との遮断
モラハラ夫にとって、妻が外部の第三者と接触することは百害あって一利なしです。モラハラ夫にとっては、自身の考えが正義であり、出来の悪い妻を諭してあげているという構図が最も都合が良いのです。
妻が仕事を始めてしまうと、必然的に第三者と接触せざるを得なくなり、上司や同僚などから「おたくのご主人、ちょっとオカシイよ」なんて言われたらその構図が崩れてしまいます。
(3) 家事・育児のレベル低下
妻が仕事を開始すれば、その分、妻が家事や育児に携われる時間は少なくなりません。必然的にモラハラ夫の希望する極めて高いレベルの家事・育児は到底維持できません。当然、残業や職場の飲み会なんて言語道断です。
モラハラ夫は、基本的に家事・育児は妻が全て完璧に行うものという考えの方が殆どの為、妻が仕事を開始するのを許せるはずがありません。
(4) 嫉妬心・独占欲
モラハラ夫は、妻に対してモラハラの限りを尽くすものの、根本的には妻を愛しているケースも少なくありません。
その為、不倫等の心配もある仕事の再開は許せません。仮に愛情とは呼べない場合でも、モラハラ夫は妻を自分の思うように操れる家政婦、あるいはそれ以下のように思っている為、自分以外の第三者が妻と会話をしたり、指示をしたりすることが許せません。
「仕事をするな」はモラハラの可能性がある
モラハラ夫には、妻をバカにしたり、執拗に責めたりしながら、妻の自尊心を奪っていくという特徴があるとお伝えしました。
このことを前提にしますと、夫が「仕事をするな」と言うことは「モラハラ」にはあたらないようにも思えます。
しかし、妻に仕事をさせないことは、モラハラ夫の典型的な行動の一つでもあるのです。
なぜ、モラハラ夫は、妻に「仕事をするな」と言うのでしょうか?
モラハラ夫の欲求は「妻を完全に支配し、優越感を感じていたい」ということにあります。
そのための手段として、モラハラ夫は、妻から「力」を奪っていくのです。
ある時は「こんなこともできないのか!」と妻をバカにし、ある時は「お前が悪いからこんなことになるんだ」などと妻を執拗に責めながら・・
そんなモラハラ夫にとって、妻が仕事をして経済力をつけることは不都合なことでしかありません。
妻が仕事を通じて社会とつながりを持つようになることも、家庭内での支配を確立したい夫にとっては、不都合なことでしかありません。
そのようなことを通じて、妻は、夫の支配から脱する「力」をつけてしまう可能性があるからです。
合理的な理由がないにもかかわらず、妻に「仕事をするな」と言う夫は、モラハラ夫である可能性があります。
モラハラ夫にとって、妻に仕事をさせないことは、妻を支配しつづけるための、いわば常套手段ともいえるのです。
ご本人には判断がむずかしい
このように「仕事をするな」という夫は、モラハラ夫である可能性があります。
しかし、モラハラ被害を受けている妻にとって、その判断をすることは容易なことではありません。
精神的な暴力であるモラハラは、身体に対する暴力のように、分かりやすい形でなされるものではないため「暴力を受けている」と自信をもって断言しづらいものです。
加えて、モラハラ被害者は自尊心を傷つけられているため、自分の判断に自信をもつことができず、常に「自分が間違っているのではないか」と考えがちです。
そのため、夫に「仕事をするな」と言われた場合
「自分が仕事をしなくてもよいように稼いでくれている夫の言うことが正しいのではないか」
「不満をもつ自分のほうがおかしいのではないか」
などと考えてしまうことが多いのです。
「モラハラかも」と思うけれど、よく分からない、自信がないという方は、ぜひ、モラハラを熟知した弁護士にご相談ください。
モラハラを熟知した弁護士であれば、あなたからご事情を伺い、夫の行為がモラハラに当たるのかどうか、客観的に判断してお伝えすることができます。
モラハラを熟知した弁護士にご相談を
「仕事をさせてもらえない」という形でモラハラを受けている妻は、その他の態様によっても、夫からモラハラを受けている可能性があります。
そして、そのような夫とは、将来的に「離婚問題」に発展していく可能性があります。
「モラハラで離婚したい」というご相談は、近年急増しています。
もっとも、モラハラを理由に離婚をしようとする場合には、身体への暴力や不貞行為を理由とする離婚の場合にくらべて、慎重に、戦略的に動いていかなければならない点が多いといわれています。
たとえば、証拠の残し方もその一つ。
夫が仕事をさせてくれない事情も、それが「モラハラに当たる」ということを説明できるような形で証拠を残しておく必要があります。
モラハラに熟知した弁護士であれば、モラハラ夫に対して、どのように対処していく必要があるか、適切なアドバイスをお伝えすることができます。
「モラハラかも」と思われた場合には、ぜひ、弁護士にご相談ください。

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