亭主関白とモラハラの違い
「亭主関白」という言葉があります。これは、家庭内において、夫がまるで「関白」(成人天皇を補佐するためで古代から日本の政治体制に置かれた役職。実質的な公家の最高位)のように威張っている様子を揶揄して用いられるものです(ちなみに、この逆として「かかあ天下」という言葉があります。)。
では、「亭主関白」と「モラハラ」とは何が違うのでしょうか。まず、「モラハラ」は「亭主関白」のように必ずしも夫婦関係や家庭内の関係に限定されません。友人関係や職場関係であってもモラハラは起こり得るものです。性別も特定されませんので、「亭主」(男)だけではなく、妻(女)がモラハラ加害者になることもあります。また、「亭主関白」は単に亭主が家庭内で威張っている様子を指しているだけの言葉であるのに対し、「モラハラ」は、精神的な「暴力」や「虐待」を指す言葉であり、明確にネガティブなニュアンスを含んだ言葉です。「亭主関白」には「かかあ天下」とともにどこか牧歌的で呑気なニュアンスがあります。夫が妻に対して殴る蹴るといった激しい暴力を日常的に加えている家庭を目にした際、「あの家は亭主関白だね~」等と呑気な発言をする人はいないと思います。目の前にあるのは明白な虐待行為であり、亭主関白などという域を超えた家庭内暴力です。「モラハラ」という言葉は、肉体的な暴力と異なり目に見えづらい精神的な暴力もそれと同等に人を傷つけるものであるというニュアンスで提唱された概念です。そういった言葉の意味合いからしても、「亭主関白」と「モラハラ」は明らかに異なるものと言わざるを得ないでしょう。
家庭内における「モラハラ」の実体が「あの家は亭主関白だね~。」などという呑気な発言で周囲によって矮小化された場合、被害者である妻の方はますます精神的な孤立感を深め、窮地に立たされます。
こういった被害者の心情を想像することは、モラハラ加害者に限らず誰しもが求めらられる事柄だと思います。
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