1.はじめに:離婚を考えるあなたへ
「夫のモラハラに耐えられない。」「配偶者が浮気していることを知ってしまった。」「夫が私に対するDVを理由に逮捕された。」
離婚を考えるに至る理由・経緯は、様々でしょう。この記事をご覧の方も、何かしらの理由があって離婚を考えて検索をし、このページにたどり着いたはずです。離婚をすることが正解であったと後で思えるかどうか、言い換えれば、後悔しない決断ができるかどうか。これは、離婚に伴うメリット・デメリットを正しく理解した上で離婚する・しないの決定をできたかどうかに左右される問題でしょう。もちろんこの決定には、弁護士等の支えになる方の助言も必要不可欠です。
この記事では、離婚に伴う代表的なメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ、離婚のメリット・デメリットについて適切に把握した上で、離婚の決断をするかどうか決めることができるようにしましょう。
2.離婚のメリット
それではまず、離婚のメリットについてご説明します。離婚のメリットとして大きなものは、以下の4つです。
ストレスからの解放
まず大きな離婚のメリットは、ストレスから解放されて精神的に自由になることでしょう。
例えば離婚の理由がモラハラやDVなどの配偶者による支配的行為が原因であれば、離婚によって解放されることで、新たな生活をスタートすることができます。特に、モラハラやDVがあった場合には、被害者ご自身が思いもよらぬほど、配偶者の支配下で精神的に抜け出せない状態になっている場合が大半です。このような方は、ご自身にどの程度のストレスがかかっているか自覚していない状態といえますから、離婚による解放感・自由に驚かれることが多いです。ぜひ、ご自身が共依存的な状態になっていないか、第三者(特に、あなた自身の両親など、あなたの全面的な味方になってくれる方がお勧めです。)の意見に耳を傾ける機会を作ってみてください。
また、離婚の原因が性格の不一致の場合も、ストレスからの解放感は大きいです。配偶者との性格の不一致にお悩みの方は、ストレスから、円形脱毛症など、身体に異変・不調を来たす場合もあるくらいですから、普段、性格の合わない配偶者と同棲して生活を送るストレスは計り知れません。このようなストレスから解放されることは、離婚の大きなメリットといえます。
これらに加えて、配偶者の親戚付き合いというストレスからの解放も、離婚のメリットといえるでしょう。
経済的自立
次に離婚のメリットとして挙げられるのが、経済的自立です。
特に妻側としては、配偶者の経済状況に依存して専業主婦に集中していることが多いのではないでしょうか。このような場合、妻は扶養の範囲内で就業する選択を余儀なくされてしまいますから、経済的余裕の有無が夫の経済的な余力の有無に依存してしまうのです。このため、経済的に夫の顔色をうかがいながら生活をすることとなりがちです。
離婚ができれば、夫の経済状況を全く考える必要がなくなりますから、ご自身の就業に集中することができるようになり、経済的に自立することが期待できます。この点も、離婚のメリットといえるでしょう。
キャリアの形成
また、これも妻側に多いメリットですが、キャリア形成に集中することができるということも挙げられます。妻側は結婚に伴って専業主婦になることが多いです。このような場合、婚姻によって職を辞するなどしてしまい、自身のキャリア形成に多大な影響が及ぶことになります。
相手方と離婚することで再び自身の仕事に就き、自分のキャリア形成を再開することができます。特にお子様がいない場合や、お子様の養育について実家の援助が充分に得られる場合など、子育ての負担感が少ないのであれば、ご自身の仕事に集中してキャリアアップすることもできるでしょう。
加えて、相手方との離婚を機に何がしかの資格取得に取り組む方も多くいらっしゃいます。いわゆる士業をはじめとした資格をとることにより、ご自身のキャリアアップに専念される方もいらっしゃるのです。これも離婚に伴って自由な時間が増えることに起因するメリットです。
更には、職業上のキャリアアップのみならず、地域貢献をするなど、地域のコミュニティにおけるキャリアアップを図る方もいらっしゃいます。あなた自身の離婚経験をきっかけに、地域・地元の方のご相談に乗るようになる未来があるかもしれません。
このように、キャリア形成と一口に言い表せないほど、離婚によって新たな未来の可能性が広がっていくことは、離婚の有意義な側面といえるでしょう。
金銭的に自由になる
最後に金銭的に自由になるという面もメリットとして挙げられます。相手方と離婚することによって相手方との生活を気にすることなく、ご自身のためだけにお金を使うことができるようになります。これも、ある種の解放といえるでしょう。
結婚している間は、相手方との生活を優先するため、仮にご自身に多くの収入があったとしても、生活自体は質素になることがありがちです。
そのような生活上の我慢をする必要がなくなりますから、自分の生活のためだけにお金を使えるようになります。もちろん、貯金も自分自身のためにすることができますし、趣味の幅を拡げることもできるでしょう。
離婚によって増えた時間を趣味・余暇のために充てることで、充実した生活を始めることが期待できます。
3.離婚のデメリット
他方で、離婚のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。この3つのデメリットが、代表的なものといえるでしょう。
子どもへの影響
まず大きなデメリットとして挙げられるのは、子どもへの影響です。
離婚によって夫婦関係が解消されても、親子関係は法律的には無くなりません。もちろん、子どもからしても、親子の関係が全く無くなることはないのです。このため、離婚時の子どもの年齢にもよりますが、離婚が子どもの心身に与える影響は大きなものとなります。子どもによっては、夜泣きが増えたり、夜尿をしたりするようになるなど、目に見えて変調を来たすこともあります。どちらかの親が不在になることが子ども与える不安感・喪失感は、それほど大きいものなのです。
この点に関しては、離婚後に子どもの監護をする親において、適切にフォローしてあげなければなりません。離婚後に子どもの生育環境が大きく変動しないように配慮することや、実家の親族を頼りながら働いて子育てと仕事の両立を図るなど、多くの考慮が必要となります。
また、離婚後に子どもと別居することとなった親から、定期的な面会交流の要望があれば、子どものためにこれに応じ、離婚したはずの元配偶者と調整の連絡・協議をしなければならないこともあるでしょう。このような場合には、弁護士を間に挟むことで相当程度ストレスと労力の緩和をすることができますし、面会交流調停などの裁判所を介入させる手続を行うことで早期の解決・調整を図ることもできます。
社会的不安
また、離婚によって社会的にどのような目線で見られるようになるのか、社会的な側面における不安が生じるのも、離婚のデメリットといえます。
例えば、離婚したという事実が一人歩きして、偏見に繋がったり、悪い噂を呼んだりすることもあります。お子様がいる場合には、子どもの学校の関係者や保護者など近しい関係の方に離婚の事実を知られることが社会的な不安としてのしかかってくるかもしれません。場合によっては、お子様に悪い影響が及ぶ可能性もあります。
昨今の日本では、結婚した夫婦の3組に1組が離婚するようになってきており、離婚自体珍しいことではなくなってきています。また、多様な生き方を推進する社会情勢が構築されてきていますから、一昔前ほど、離婚に対する偏見もなく、より自由な生き方として周囲の方から何も言われないかもしれません。
このため、離婚による社会的不安の有無・程度は、あなたご自身の周囲の環境や、あなたご自身の交友関係等に左右されます。この点を大したデメリットとお感じにならない方もいらっしゃるでしょう。
金銭的不安
こちらも重要なデメリットですが、金銭的な不安に襲われることも、離婚のデメリットです。生活のためのお金は、ご自身の収入で賄う必要があります。
上述した経済的自立・金銭的自由といった離婚のメリットの裏返しですが、離婚によって独りになった場合、また、お子さんを連れて離婚した場合、あなたのみの収入で生計を立てなければならなくなります。
この場合には、例えばあなたが病気になるなどして休職した場合の保障は何らありません。特に子どもと共に生活する場合には、経済的な負担も大きくなりますから、不安感も大きくなるでしょうし、実際に必要とされる労働量も多くなるでしょう。
ある程度実家等の援助を受けられる体制にしておけばこの不安は緩和されますので、離婚に向けた準備・親族との協議を充分にできていれば、そこまで大きなデメリットにはなりません。
離婚に慣れた弁護士であれば、どのような準備・協力体制を構築しておくべきか熟知していますから、ぜひ、ご不安があれば一度弁護士にご相談ください。
4.後悔しない選択をするには?
離婚のメリット・デメリットについては、上記の説明のとおりです。それでは、後悔しない選択をするためには、どうしたら良いのでしょうか。
やはりまずは、あなた自身が離婚後にどのような生活を送ることを思い描けるのか、現実的な側面も含めて見通しを立てることが重要といえるでしょう。
離婚や離婚前の別居の選択を取った場合に、住居はどうするのか、仕事はどうするのか、子どもの保育園や学校などはどうするのか、収入はどの程度見込めるのか、実家の支援はどの程度得られるのか、離婚後に残る問題点はないか、など細かな点まで具体的な見通しを立てて予測することで、想定外の事態を防ぐことができます。
こうすることで、結果的に後悔しない選択をすることができるでしょう。
このような推測・予測をお一人で立てることは、難しい場合があります。このため、法律専門家である弁護士とともに、具体的かつ細やかな推測を立てていきましょう。特に離婚問題に精通した弁護士であれば、あなたの具体的な状況を踏まえた上で、適切なアドバイスをするとともに、より精度の高い推測を立てることができるといえます。当事務所には、離婚問題に慣れた弁護士が多数在籍しています。離婚するかどうかお悩みのあなたのご相談をお待ちしております。
5.まとめ
以上のとおり、離婚のメリット・デメリットについて詳しくご説明いたしました。離婚のメリット・デメリットについてはケースバイケースな部分もあります。ぜひあなた自身の具体的な事情に合わせて専門家の助言を受けることを検討してください。特に、そもそも離婚ができるかどうかという問題自体、証拠の内容・有無に大きく左右されますから、専門家の意見を聞くことは必須といえます。
当事務所では、あなたからの早期のご相談をお待ちしております。
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