家庭内別居とは
ここ数年、熟年離婚が増えてきた中で、家庭内別居を原因とする離婚のご相談件数が増えてまいりました。
実際、「家庭内別居」だけでは、裁判時に判断される法律上の離婚事由には該当しません。
もっとも、協議や調停の場では、離婚理由は問われませんので、互いに合意できていれば離婚はできますが、合意できない場合、離婚裁判を起こすしかありません。
家庭内別居が離婚が認められにくい理由

家庭内別居と言っても、「会話が少ない」「性行為がない」「喧嘩が絶えない」という現状だけでは婚姻関係が破綻していたとは言えないため、なかなか離婚原因として認められません。
認められるためには、夫婦それぞれの生活すべてが別々になっていたことを立証する必要があります。
家庭内別居で離婚が認められるには

家庭内別居となった理由が、不貞行為やDV、もしくは生活費を渡さない等、夫婦間での協力・扶助義務の放棄(悪意の遺棄)であれば、離婚請求が認められる可能性はあります。
夫婦関係が破綻していると判断されるために、「家庭内別居」に至った原因のほかに、実際の生活状況が完全に「家庭内別居」であったということを、資料などにより立証しましょう。
但し、「家庭内別居」であったことを立証することは容易ではありません。
- 部屋を別々に会わないようにしている
- 互いにカギをかけて生活をしている
- 生活費の支払いも別々
など、シェアハウス等での生活さながらに「互いの生活は別々であった」と証明できなければなりません。
家庭内別居をめぐって発生する問題の具体例
10年性交渉なし、5年会話なし
同居期間が長い状態では、なかなか離婚が認められない場合もあります。性交渉が無くても、双方同意の上でのことなら、離婚理由にはなりません。夫婦の会話が無くても、同居状態が続いていれば、裁判所も、なかなか離婚を認めないでしょう。
3年会話なし 食事も別々
土日は一緒に過ごしているということであれば、平日一緒に生活していなくても、夫婦関係は破たんしていないといえるでしょう。性交渉がないそうですが、それだけでは破たん事由にはなりません。
ただし、夫が全く家に来ない状態が今後も続くようですと、2、3年後には離婚が認められてもおかしくありません。
別居10年、土日は一緒に過ごす、しかし性交渉はない
住まいも別という完全な別居状態が3年間ほど続いていれば、離婚請求が認められる可能性も十分あります。しかし、家庭内別居となると、裁判所もなかなか離婚を認めてくれません。
庭に離れを建て、それぞれ顔を合わせることもないということであればともかく、たとえば、ただのマンションの中で家庭内別居だといっても、頻繁に顔を合わせざるを得ない状況で一緒に住んでいる以上、それだけでは、婚姻関係が破たんしていないのではないかと解釈されてしまいます。
終わりに
家庭内別居に至るまでの経緯や状況というのは、各家庭によって違います。
顔を合わせていないのであれば、離婚するためにも、実際に家を出て、別居してみることをお勧めします。
当事務所では、別居サポート等も備えておりますので、一度相談にいらしてみてはいかがでしょうか。

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