財産分与は、プラスの財産だけではなく、債務・借金といったマイナスの財産についても分与の対象となり得ます。
もっとも、当然に全ての債務・借金が財産分与の対象となるわけではありません。
また、財産の全てを合わせても資産より債務・借金が多い場合、当然にその半額を負担しなければいけなくなるわけでもありません。
以下、借金・債務に関して協議、調停、訴訟で頻繁に問題となる点について解説いたします。
住宅ローン、自動車ローン
結婚後に夫婦の居住する自宅、夫婦の使用する自動車の為に負ったローンであれば、一般的に財産分与の対象となります。
当該自宅又は自動車を取得した者が当該ローンを引き受けるのが一般的ですが、必ずしもそのようにしなければいけないわけでもありません。
この点、自宅ないしローンを取得しない方が、連帯保証や連帯債務から早期に抜けたいと希望されるケースが非常に多いですが、基本的には債権者である金融機関の意向に左右される為、当然に抜けられるわけではありません。
多くのケースでは、自宅・自動車を取得する者が、借換え等の方法によって一括返済できなければ、連帯保証・連帯債務は残ってしまうことが多いのが実情です。
生活費の為の借金
夫婦の生活の為に、夫婦が合意の上で借り入れた借金は財産分与の対象となります。もっとも、多くのケースで夫婦の一方が、他方に内緒で借金をし、後に生活費の為に借り入れたと主張するケースがあります。
このようなケースでは、借金をした側が、借金の使途が明確に生活費の為であることを証明できない限り、当然に財産分与の対象となるわけではありません。
夫婦の財産が債務・借金しか無い場合
夫婦に目ぼしい財産がなく、債務・借金しか無い場合に借金の支払の一部を相手に負担させることができるかという点が頻繁に問題となります。
しかし、現状の実務では、財産分与はあくまで資産(プラス)が残った場合に分与する制度であり、負債(マイナス)しかない場合にその一部を相手に負担させる運用はしておりません。
もっとも、このような取り扱いが公平の見地から適切でない場合も多く、協議や調停の場では、他の金銭に関する条件(養育費、慰謝料)と事実上の相殺処理をする等の方法によって柔軟な対応が試みられています。
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